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Vol.18 実証試験のデータ検証、法則制の緩和で水素エネルギー社会は前進 技術戦略部 水素ビジネスプロジェクトグループ 古田 博貴さん
究極のクリーンエネルギーである水素への期待が高まる中、水素供給事業分野において、先駆的な取組みを行うことによるビジネスチャンスの拡大を目的に、2002年に設立された技術戦略部水素ビジネスプロジェクトグループ。水素供給事業のメインプレーヤーを目ざすべく、国家プロジェクトによる実証試験のデータ検証をはじめ、関連業界との協力、法規制の緩和などを積極的に進めてきた。その中心的な役割を担っている同グループの古田博貴さんは、「水素エネルギー社会が夢物語ではないことを広く理解して頂くとともに、まずは燃料電池自動車と水素ステーションの実用化のための準備を進めていくことが重要です」と話す。 燃料電池自動車に水素を供給する千住水素ステーションが経済産業省の「水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)」により設置されて6年。東京ガスのお客さま、関連企業、官公庁、自治体関係者、教育関係者、消費者団体、学生、一般の方など、見学者は1万9000人を超えた。水素ステーションの見学時に、燃料電池自動車に試乗して頂くと、その静かさやスムーズな加速、安定した走りに感動するという。 技術面では実用化にかなり近づいている燃料電池自動車と水素ステーションだが、課題も多い。現在、1億円以上とも言われている燃料電池自動車は、コストダウンが最大の課題だが、これは自動車メーカーの技術開発と将来の大量生産によりコスト低減の目途が立ちつつあるという。一方で、水素ステーションは、メーカーとともに機器のコストダウンを図っていくのはもちろんのこと、実用・商用化には技術以外でもさまざまな課題がある。 基準の改正に向け安全性のデータを検証 その一つが基準の見直しだ。高圧ガス保安法では、水素ステーションの設備から敷地の境界までに必要な離隔距離が定められており、その分面積が広くなってしまい、コストもかかってしまう。元々、高圧ガス保安法は工場を対象に作られた法律のため、小型の水素ステーションの特性に合うよう、安全性を確保するデータを提出し、基準の改正に臨んでいるという。「社外の大規模な実験設備を用いて、どれだけの距離を離せば人体に影響がないかなど、さまざまなデータを取っています」。 水素ビジネスプロジェクトグループでは、将来の水素ビジネス展開も検討している。天然ガススタンドとの併設、パイプラインによる水素供給、鉄道用の水素ステーション、燃料電池ターレット車※などがある。燃料電池ターレット車は試作車の走行試験の実施、また鉄道に関しては水素供給設備の試設計を㈶鉄道総合技術研究所と共同研究で行うなど、実現に向けた歩みを始めている。 これまで培ってきた技術を活用しインフラ構築へ 「水素はライフワーク」と話す古田さんは、産業用の水素製造装置の開発に携わった後、水素ビジネスプロジェクトグループの立ち上げとともに異動し、約15年間にわたり水素に携わってきた。 「LNGが導入される以前は、石油系の原料から、触媒により水蒸気を改質反応させる方法で都市ガスを作ってきました。この方法は水素製造の技術と全く同じで、東京ガスが長年培ってきた技術といえます。それに加え、自動車にガス体の燃料を高圧で積むという天然ガス自動車で培った技術を利用することで、燃料電池自動車に水素を供給するインフラを早急に低コストで構築し、低炭素社会の実現に貢献していきたいと思っています」。 温室効果ガスの削減が世界的に叫ばれる中、水素社会実現への機運もますます盛り上がっているが、今後の温暖化対策の目標次第では、個人レベルでも相当な努力が問われるだろう。「お風呂に入る回数を減らすといっても限界があります。そこで、生活レベルを落とすことなく、CO2排出量を削減できるエネルギーへと仕組みを変えなくてはならない。その具体例が水素なのです」。15年の経験による自信と思いが、そこにはある。 ※生鮮市場や工場などの構内運搬車 |
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既存の天然ガスの供給網を活用して、その供給網の上に水素ステーションを核とする水素コミュニティを形成し、徐々に周囲に広げ発展させていく。CO2 は水素製造段階で回収する(Vol.16参照)。
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